神経伝導検査 尺骨神経(異常値)

尺骨神経の神経伝導検査で、着目すべきは下記の異常値です。

複合筋活動電位(conpound muscle action potential: CMAP)

 遠位潜時の異常 : 5.1 ms以上

  教科書での正常上限 : 3.4 ms

  CIDPの診断基準(EFNS/PNS 2021、脱髄を強く支持する所見): 正常値の50%以上の延長

 運動神経伝導速度の異常 : 38 m/s 以下

  教科書での正常下限 : 手首-肘下 49 m/s 肘下-肘上 50 m/s 肘上-腋窩 54 m/s

 振幅の異常 : 2.2 mV以下

  教科書での正常下限: 手首 2.8 mV 肘下 2.7 mV 肘上 2.7 mV 腋窩 2.7 mV

  CIDPの診断基準(EFNS/PNS 2021、脱髄を強く支持する所見): 近位と比較して遠位の振幅が30%以上低下していることと、遠位の振幅が正常下限の80%未満であること

  CIDPの診断基準(EFNS/PNS 2021、脱髄を強く支持する所見): distal CMAP duration 8.4 ms 以上

感覚神経活動電位(sensory nerve action potential: SNAP)

  CIDPの診断基準(EFNS/PNS 2021、Sensory CIDP):

   振幅が正常下限の80%を越えている場合、正常下限の80%未満(※正常下限を44 m/sとすると、35.2 m/s 未満)

   振幅が正常下限の80%より低い場合、正常下限の70%未満(※正常下限を44 m/sとすると、30.8 m/s 未満)

参考文献:

  1. 神経伝導検査と筋電図を学ぶ人のために 第2版 木村淳・幸原伸夫 医学書院
  2. Van den Bergh PYK, et al. European Academy of Neurology/Peripheral Nerve Society guideline on diagnosis and treatment of chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy: Report of a joint Task Force-Second revision. J Peripher Nerv Syst. 2021 Sep;26(3):242-268. Erratum in: J Peripher Nerv Syst. 2022 Mar;27(1):94. Erratum in: Eur J Neurol. 2022 Apr;29(4):1288. PMID: 34085743.

 

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